ちいさなギャラリーの店番日記
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Gallery 風の卵

大分市生石5-1-21
phone 097-533-4113
不定休

※現在は企画展・イベント開催期間中のみ営業しています

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2月末までだった三宮一将展「ルカスの視点」を見に行ってきました。会場は長湯温泉「万象の湯」のリラクゼーションホール「ルカス」。キリスト教に関連の深い土地柄にちなんだ命名で、三宮くんの作品にぴったりです。

到着してホールの扉を開けると同時に中から溢れ出るおばさまたち。五十~七十代の妙齢の方々がとめどなく雪崩れてくるのでびっくりしました。どうやら丁度その時間まで何かの会合があったようです。それにしてもあの生命感には圧倒されるわー。まさに洗礼を受けた感じでしたよ。

会合のテーブルそのままの会場で作品を見ていると、陶芸家の阿南くんと鉢合わせ。画家の谷くんと一緒に見にきたそうです。ほどなく三宮くんも現れ、会合の後片付けが簡単になされると、そこはようやく落ち着いた空間になりました。

紙で作られた施設の模型を載せたテーブルを囲んで4人で他愛無い話をするのは美しい時間でした。農業倉庫を改築したホールの高い窓から射すひかりが、時間とともに移動していきます。そのひかりの軌道上にオブジェ「窓」を展示していた日もあったらしく、それはきっと美しい十字架として静謐にそこにあったのだろうなと思うのでした。

作品は、やはり「新潮流展」で見た3点が圧巻。静かでものやわらかな緊張感をたたえた連作です。制作年代を尋ねると少し以前の作品も展示されていて、そこから最新作「ルカスの視点」へと至るあいだの精神の削ぎ落とされかたがまた美しかったです。丁寧で真面目な画家の仕事という感じがしました。

三宮くんの展示、次は小品展、それから「零のゼロ」と続きます。

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とにかく実直に、それはもうストイックなまでに、基本的なことをやりきった人の作品が光った展示だったと思います。そのぶん余計に自家中毒に陥りつつそこに甘んじている人の作品が、うーん…という感じ。存在を賭けてひたすら真面目に描く、それだけでいいんだということを再認識させてくれた今年の新潮流展でした。


行商美術に参加して下さっていたスズキコージさんのワークショップに行ってきました。企画・会場は別府市楠町のおもちゃと絵本のお店「山猫軒」さん。むかし置屋さんだったユニークな建物で、面白い建築意匠も目を楽しませてくれます。

到着してみると保育園児がわんさか。床にひろげられた長い画面にスズキさんが真っ青な川を描いたのを合図に、先生たちも混じって早速ペインティングに熱中しました。いきなり爆発的に描きはじめる子、最初は遠慮がちだったのに次第に自分の世界を展開してゆく子。対抗したり合作したり。思わずわたしたちも参加して、一緒に服を汚して遊んでしまいました。

子供たちが退散したあとはこたつに入ってスズキさんと懇談。主に過去の思い出話など伺って、居心地のいい時間が過ぎました。最後にスズキさんの作品の中でも最高にお気に入りの『きゅうりさんあぶないよ』にサインを。知り合いへのお土産に『エンソくんきしゃにのる』もゲットしました。


行商美術の立役者である画家・美濃瓢吾さんがうたになりました。鈴木常吉さんの新譜「ぜいご」に収録されている「ミノ君」がそれです。

ぜいご

ぜいご 鈴木常吉

人はなぜ悲しむのか。悲しみはどこからやってくるのか。悲しみを全身で噛みしめ、その在処を探り続けた一人の男の物語。鈴木常吉が自らの半生をひたすら凝縮し結晶させた珠玉の作品集。

2006年10月29日発売
定価:2,500円(税抜き)2,625円(税込み)
off note/on-59
 
収録曲
疫病の神/アイオー夜曲/くぬぎ/アカヒゲ/サマータイム
ワーリー・ブルース/目が覚めた/石/藪/ミノ君    
煙草のめのめ/父のワルツ/思ひで/お茶碗

唄と演奏
鈴木常吉 うた、ギター、アコーディオン
中尾勘二 クラリネット、サクソフォン
関島岳郎 チューバ、リコーダー

プロデュース 中尾勘二

デザイン 藤原邦久 写真 桑本正士
カバー絵 鈴木翁二 ライナーノート 三上 寛

詳細とご注文はこちらから



ポップアート奉納:秋山祐徳太子一行、宇佐神宮に新作 ハプニング歓迎にあ然/大分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061024-00000181-mailo-l44

奉納

総合美術家で札幌大客員教授の秋山祐徳(ゆうとく)太子(たいし)さん(71)=東京在住=とその弟子ら一行が23日、宇佐市南宇佐の宇佐神宮に新作などを奉納した。格式ある神宮へのポップアート作品の奉納は珍しいという。
一行は「宇佐藝(げい)術奉納隊」を編成。秋山さんのほか、唯一の弟子でアクリル画家、宮本和雄さん(51)=東京在住▽招き猫などの祝額描きで有名な画家、美濃瓢吾(みのひょうご)さん(53)=大分市出身▽安井賞展などに入選した国画会準会員の足利桂子さん(48)=由布市在住=が参加した。
奉納隊は、列を組み、参道を静々と進んだ。本殿で恭しく奉納。秋山さんはキリ箱入りの「ブリキの神様」(縦38センチ、横14センチ)を持って来た。「門前払いだったら、神宮入り口にでも置いて逃げようと思っていたが、禰宜(ねぎ)がじきじきに祝詞まで上げて、作品を受け取ってくれた。みこによる浦安の舞には感動しました」と興奮気味。美濃さんは応神天皇の子ども時代をモチーフにした「福助の祝額」(縦45センチ、横36センチ)を持参した。ほかの2人もそれぞれ作品を納めた。
JR宇佐駅に到着した秋山さんたちを歓迎実行委員会のメンバーが秘密戦隊ゴレンジャーにふんして歓迎するパフォーマンスなどもあり、秋山さんは「ポップハプニングにびっくり。完全にやられました」と脱帽していた。
24日は午前10時から宇佐市立四日市南小で、1年生対象に段ボール箱を使った工作教室を開く。午後1時半から宇佐文化会館の市民広場で「ポップ&トークショー」(無料)を開く。【大漉実知朗】10月24日毎日新聞朝刊

奉納奉納

アーティストの寺山香さん・藤崎友子さんと連れ立って、この「藝術奉納隊」にお供してきました。10時20分に待ち合わせの約束をしたJR宇佐駅に到着して我々も「あ然」。秋山さんを大写しにした映像とゴレンジャー風の戦隊に迎えられ、「これは何?」といった状態で立ち尽くしてしまいました。小さな田舎の駅前広場はちょっとしたお祭り騒ぎ。ちなみに「ダリコ」はちゃんと「ダダ」と「キリコ」と秋山さんのパフォーマンスに由来したもの。宇佐の方々、美術史もちゃんと押さえてます。

奉納奉納

配置につく前のゴレンジャーは思い思いにキオスクを覗いてみたり。

奉納

宇佐神宮では本殿でお祓いを受け巫女さんが舞って、作品は無事奉納完了。特に宇佐神宮の縁起を調べて描いたという美濃さんの作品の隙のなさには圧倒的に魅了されました。

その後「新邪馬台国建設公団総裁・卑弥呼神社大宮司」こと高橋宜宏さんのお店「文福茶屋」に移動して昼食。奥にあるピンク色のVIPルームが何とも怪しげでトキメキました。

その日の宿となる「かんぽの郷」にチェックインしたあと市の文化課長さんの案内で凶首塚や化粧井戸をまわり、院内は竜岩寺の木造仏を見学。かなり険しい石段でしたが長旅の疲れも見せず、和装下駄の宮本さんやハイヒールの足利さんも元気に頂上へ到達しました。

わたしたちは夕刻で退散しましたが、その夜は遅くまで宴が繰り広げられたそうです。宇佐市長と秋山さんによる「グリコ・ツインズ」を目撃した人は、実に貴重な体験をしましたね。ちなみにゴレンジャーの中身は市の職員さんたちで、なんとこのお出迎えのために有休を取ったのだとか。宇佐の方々ったら素敵すぎます。
秋山さんたちが世界へ注ぐ深い愛情とピュアな宇佐の人たちに囲まれて、限りなく癒された気のしていた長い長い一日でした。

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